《欧亚美术》  犍陀罗艺术 

Gandhara Antiques specialty shop
 

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COLUMN 10

 

ガンダーラでつかわれた金箔について(1)
 

図1
 


図1は仏陀立像の頭部を欠損した像ですが、金箔がところどころに残っています。

 朱をぬって、その上に金箔をのせたようです。
朱が接着の役目をしているのと、金の下に朱が入ると金の色調がより美しくなるそうで、日本の古い時代でもそうされていたそうです。

 
 

図2(アメリカ個人像)
 
図3(日本個人像)
 


図2は昔日本に入った金箔の残ったすばらしいレリーフです。
ニューヨークのオークションで高値をつけ、その
年後にまた同じ会社のオークションにかけられて、1億を越えて落札されました。写真ではよくわかりませんが、下地にぬられた朱があるところとないところがあります。おそらく全面に金箔を置いたのでしょう。ということは、下地に朱があるところとないところで金の輝きの変化を出したのだろうと思われます。どんなだったのでしょう。そこまで計算されて製作されていたものと考えられます。図3も朱があるところとないところがあります。
 


金箔を作る技術は当時はやはり今のようではなく、今のように薄くはできなかったようです。私たちのところに着いた金箔の残ったレリーフの泥を水洗いして落します。そのときにどうしても泥といっしょに金箔の片が流れ落ちます。次の日に乾いた砂の中にある金箔片をさわるとピンピンとはねます。そのぐらい厚みがあります。昔もやはり金属の板と板の間に金を入れてたたいて押し伸ばしたのだろうと考えられていますが、その技術が低かったのでしょう。

 このようにホンモノには厚い金の箔が使われていました。次回に数十年前に奈良博で問題になった金のニセモノについて書きますが、ニセモノは泥金を使っています。(つづく)

 

 

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